ベトナムの科学技術省はこのほど、中古機械・設備・生産ラインの輸入を規制する通達「20/2014/IT-BKHCN(7月15日公布)」の効力を停止した。日本企業などの強い反対で、施行直前に「ドタキャン」したものとみられ、これによって、当面の影響は回避された。
同通達は、製造から5年以上で、新品の80%未満の品質の中古機械や設備などの輸入を禁止する内容で、9月1日から施行する予定だった。科学技術省は劣悪な中古機械の輸入防止が目的と説明していた。日系のメーカーが、ベトナムへの新規投資を行う場合や、ベトナム国内での生産拡張、他国からの生産移管を行う場合には、日本や海外拠点から中古機械や設備などを輸入することが大企業、中小企業にかかわらず多い。このため、ベトナム日本商工会は、(1)中古機械の導入を前提に投資した(2)ベトナム進出の再検討を強いられる(3)通達に不明な点が多く、公布1カ月半での施行は性急―などと強く反発し、施行の延期を求める要望書を提出していた。
今回は日本側の要望が通った形だが、同商工会は「通達の停止期限が明示されていない上、廃止されたわけではない。効力が再開される可能性がある」として、会員企業に注意を促している。