帝国データバンクは、熊本地震で震度6弱以上が記録された地域に所在する企業1万7,208社を対象に取引先(仕入れ先・販売先)や各地域の産業の集積状況を調査。その結果を踏まえ、震災被害への影響を可能な限り抑えるためには、被災していない企業や個人の日常の行動が大きな支援になるとの見方を明らかにした。
被災地に所在する企業の仕入れ先は全国で1万5,911社あり、うち被災地所在企業への販売を主力としている企業は4,829社だった。一方、販売先は1万5,754社で、このうち被災地所在企業からの仕入れを主力としている企業は5,103社。特に被災地を含む九州は4,105社で8割以上を占める。関東も517社で1割超もある。熊本県では飲食料品卸売業の8割超が被災地に集積。県の強みとなる農産品をユーザーに届ける流通プロセスへのダメージが懸念される。
大分県内の被災地(別府市、由布市)では特に旅館・ホテルが集積している地域に被害が集中。県内企業における同業種の4割超が被災地に所在。インバウンドの拡大を背景に観光客数が増えていた中での震災は県経済にとっても痛手。復旧・復興政策の立案・実施には企業や地域の置かれた実情に沿ったきめ細かな支援がカギになるとしている。
■参考:帝国データバンク|熊本地震の現状と今後の復興に向けて 被災地所在企業への課題、取引継続がカギ|
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p160406.html