中小企業庁は先般、既報の中小企業白書と併せて2016年版小規模企業白書を公表した。小規模企業振興基本法に基づく年次報告で、今回が2回目となる。第1部では、低水準が続く業況と人手不足、個人事業者の廃業による事業者数の減少といった現状を挙げつつ、商圏の拡大、高い比率のインターネット受注、経営計画の作成、人材育成への取組が売上につながることを示唆。一方で、小規模事業者は自治体規模によらず人口に比例して一定数存在すること、地方都市や郡部の町村ほど地域経済への貢献度が高いことを示した。
第2部ではまず、業績の良い事業者の特徴として経営者の若さを挙げたほか、女性の復職や長期の就業がしやすい環境を有することを分析。また、多様な側面として「フリーランス」について、その職種や受注形態などを詳しく見ている。
第3部では、時代の変化に対応して様々な創意工夫に取り組んでいる事例を、ヒューマン・ストーリーも交えながら紹介。「3県復興、希望へのかけ箸」を開発した「磐城高箸」(いわき市)、家庭用廃食油を回収する「わくわく油田プロジェクト」とバイオ燃料の製造・販売を行う「自然と未来」(熊本市)など、地域に密着してたくましく活動する44の事業者が並んでいる。
■参考:中小企業庁|2016年版中小企業白書・小規模企業白書をまとめました|
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/160422hakusyo.html