Weeklyコラム 経営指導者の役割

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一般に、経営指導は経営者と波長が合わないと首尾よく長続きしないと言われる。波長が合うとは、経営者が指導者の話を真剣かつ素直に聞き、お互いに自己が主張する場合と譲る場合が歯車のようにかみ合って共感出来ることである。技術や経営知識の指導は、その能力に信頼がおければ満足するだろう。しかし、経営方針や長期ビジョン等は、その作り方を指導するような経営ノウハウでは遠からず飽きられてしまう。指導者は、経営者と同様に経営の悩みや夢等を穏やかにかつ素直に聞いてアドバイス出来る人間性の修養が必要である。

指導者の理想を言えば、『論語』(金谷治訳注、岩波文庫)にもある通り、「子は温にして厲(はげ)し。威(い)にして猛ならず。恭(うやうや)しくして安し」(先生はおだやかでいてしかもきびしく、おごそかであってしかも烈(はげ)しくはなく、恭謙でいてしかも安らかであられる)である。

指導者は本業を指導することは当然、経営者の事業構想や計画をほめたり、失敗した時は励ましたり、時には経営者の傲慢な経営姿勢を気づかせたりすることも必要である。筆者は、経営者が真剣に指導者の話を聞いているうちは(頷く・メモを取る・目を合わせる等)、顧問契約を継続して良いと考えている。