企業会計基準委員会は昨年末、企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」を公表した。
現行の日本公認会計士協会の監査委員会報告第66号「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」等の内容をベースに、企業から硬直的な運用がなされているとの指摘があった部分を改正した。 例えば、「分類3」に該当する企業であれば、5年を超える見積可能期間であってもスケジューリングされた一時差異等に係る繰延税金資産が回収可能であることを企業が合理的な根拠を持って説明する場合には、回収可能性があるものとするなど、柔軟な取扱いを容認している。
平成28年4月1日以後開始事業年度の期首から適用されるが、平成28年3月31日以後終了する事業年度の年度末からの早期適用も認めている。適用初年度については、「会計方針の変更」に該当する部分を、「分類2」に該当する企業においてスケジューリング不能な将来減算一時差異について企業が合理的な根拠をもって説明する場合などの3つのケースに限定し、その影響額については期首の利益剰余金等に加減する。
なお、今回の適用指針では注記の見直しは行われていないため、今後検討される。