経済産業省に設置された「株主総会プロセスの電子化促進等に関する研究会」では、株主総会招集通知の提供の原則電子化などの検討を行っている。日本の場合、株主総会日が集中していることに加え、株主による議案検討期間が十分に確保されていないとの問題点の指摘があるが、これらを解消することが目的である。
同じく経済産業省に設置されていた「持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進研究会」が平成27年4月にまとめた報告書では、(1)招集通知関係情報の早期WEB開示(2)招集通知関係書類の電子化(3)議決権行使の電子化を促進するなどの施策が盛り込まれていたところだが、今回は、米国の「Notice& Access」制度を参考に検討が進められている。同制度では、招集通知関連書類(計算書類等)の提供は原則電子的に行い、希望する株主に対しては書面で送付するという措置がなされている。日本でも電子化により株主の議案を検討する時間を確保することを目指す。
そのほか、株主総会の開催時期も検討課題となっている。ただ、議決権行使の基準日を決算日以降とする方策に関しては、決算日の株主に対して計算書類の報告をするという企業の実務慣行の壁を破ることは難しそうだ。