今度の税制改正大綱では、企業の投資や積極的な賃上げを促すため、引き続き法人課税の課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる方向性が明確に示された。27年度に23.9%とした法人税率を28年度で23.4%、さらに30年度には23.2%とする。
大法人向けの法人事業税の外形標準課税は8分の5へ拡大すると同時に、所得割の標準税率は27年度の6.0%から3.6%に引き下げる。この結果、大法人においては法人実効税率が平成28年度で29.97%、さらに30年度には29.74%となる。
欠損金の繰越控除制度については、27年度の改正からさらに以下の通り改める。【控除限度割合】28年度:100分の60、29年度:100分の55、30年度以降:100分の50【繰越期間等】青色申告書を提出した事業年度の欠損金、もしくは提出しなかった事業年度の災害による損失金及び連結欠損金の繰越期間を10年に延長、制度の適用に係る帳簿書類の保存期間、法人税の欠損金額に係る更正の期間制限及び請求期間も10年に延長する。
租税特別措置については、生産性向上設備投資促進税制を適用期限をもって廃止し関係規定を削除するほか、環境関連投資促進税制や雇用促進税制などで所要の見直しが行われることとなった。
■参考:財務省|平成28年度税制改正の大綱(平成27年12月24日 閣議決定)
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2016/20151224taikou.pdf