居住権に係る問題点を論議 相続法制検討ワーキングチーム
法務省の相続法制検討ワーキングチームはこのほど第6回会議を開催、短期的な居住権と長期的な居住権に共通の問題点について論議した。事務当局がこのほど公表した議事概要によると、共通の問題点として(1)両者の関係(2)受遺者との関係(3)公租公課等の通常の必要費(4)建物が賃貸物件の場合―などをテーマに話し合い、次に短期的な居住権で(1)期間(2)遺言があった場合(3)占有の喪失―について意見を交換した。長期的な居住権では(1)終身の場合(2)修繕等(3)敷地利用権―などについて論議した。 両者の関係については、短期的な居住権は、一定期間は常に生存配偶者の居住権を保護するもの、長期的な居住権は、遺産分割における選択肢を増やすもの―との認識で一致。受遺者との関係については、▽被相続人が建物を第三者に遺贈をした場合にも生存配偶者の居住権が一定期間は保護されることになると、受遺者の利益が害されるのではないか▽生存配偶者には利用権を与えるだけなので、遺贈によって第三者が目的物の所有権を取得することとは両立するが、被相続人が利用権の制約がない前提で建物を遺贈した場合には、強行法規性に反するとしてその効力が否定されることになる―の問題が浮き彫りになった。
■参考:法務省|相続法制検討ワーキングチーム 第6回会議(平成26年7月24日開催)
<http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00160.html>