契約書のスキャナ保存が可能も 原本保存では企業と事前協議を

LINEで送る
[`yahoo` not found]

日本公認会計士協会はこのほど、「平成27年度税制改正における国税関係書類に係るスキャナ保存制度見直しに伴う監査人の留意事項」を公表した。平成27年度税制改正により、国税関係書類に係るスキャナ保存制度の見直しが行われたことを踏まえたものである。

スキャナ保存制度では、税務署長の承認を受ければ、一定の要件を満たす国税関係書類についてスキャナ保存ができる。納品書・約束手形の資金移動等直結書類、見積書・注文書等の一般書類に加えて3万円未満の契約書・領収書が対象となっているが、税制改正により、平成28年1月1日から「3万円未満」の金額基準が廃止。全ての契約書、領収書についてスキャナ保存が可能になり、多くの企業で事務負担の軽減やペーパーレス化が図られることになる。

しかし、会計士協会では、スキャナ保存を行う会社については書類の原本の破棄も可能になるため、監査人としては十分かつ適正な監査証拠として利用できない可能性があると指摘。監査上必要と判断される金額以上の契約書など、重要な監査証拠となり得る書類の原本について、監査に必要な期間、保存することの必要性に関して、被監査会社と事前に十分協議することが適切であるとしている。