経産省H28年度税制改正要望 個人事業者の円滑な事業承継等

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経済産業省は先般、来年度税制改正要望を取りまとめ概要を発表した。そのうち「中小企業・小規模事業者の活性化」では、特に以下の項目が注目される。

【個人事業者の事業用資産に係る軽減措置の創設】個人事業者は全事業者の56%を占め、地域社会の形成に貢献する重要な存在であるが、事業承継時の税負担のために、事業継続に不可欠な事業用資産を売却せざるをえない事態が生じている。被相続人となると推定される個人事業者数は、年間4,800人。個人事業者の持続的な発展のために、事業承継の円滑化を図ると明記した昨年成立の小規模企業振興基本法に基づき、事業用資産の承継に伴う相続税負担の軽減措置を新設する必要がある。

【取引相場のない株式の評価方式に関する見直し等】昨今の急激な株価上昇に伴い、市場価格のない同族会社の財産価格も同様に上昇している。類似業種比準方式による株価の算出では、一要素として上場会社の平均株価が用いられるため。業況に大手との格差があるにも拘わらず中小企業の株価が実際の営業利益からかけ離れた評価額となり、事業承継を検討する事業者においては承継問題の先送り等につながる可能性が生じている。こうした実態を踏まえ、評価方式の見直しを要望するもの。

■参考:経済産業省|平成28年度経済産業政策の重点、概算要求・税制改正要望について|

http://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2016/index.html