政府はこのほど、経済産業省資源エネルギー庁がまとめた「平成26年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書)を閣議決定した。
白書は、日本は東日本大震災以降、原発が停止し、海外からの化石燃料への依存が増大したことから、国際的な燃料価格の動向に影響を受けやすい構造となっているとし、化石燃料の輸入増による国富の流出や、国内のエネルギーコスト高などの課題に直面していると指摘。大震災以降、火力燃料費の増大などで産業用の電気料金は約40%上昇したという。
白書は、第1部エネルギーを巡る状況と主な対策、第2部エネルギー動向、第3部平成26年度においてエネルギーの需給に関して講じた施策の概況―の3部構成。中心トピックとして、米国「シェール革命」で大きく変化する世界のエネルギー安全保障環境の分析と、日本のエネルギーコストの状況および政府の対応について紹介した。
「シェール革命」による変化については、シェールオイルの開発・増産は米国の原油輸入量減少を招き、米国への軽質油の供給国だったナイジェリア、アンゴラ、アルジェリアが大きな影響を受けたと分析。今後、北米からの天然ガスの輸入が増えれば、供給源の多角化を通じて日本のエネルギー安全保障が強化されると予想した。
■参考:資源エネルギー庁|「平成26年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2015)|
http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2015pdf/