平成23年のPFI法改正で創設された「公共施設等運営権」の会計処理の検討が始まりそうだ。財務会計基準機構に設置されている基準諮問会議が、公共施設等運営権に係る会計上の取扱いについて、新規テーマとして検討すべきか企業会計基準委員会に評価を依頼しているからだ。
この公共施設等運営権とは、国や地方公共団体等の公共施設等の管理者が有する施設所有権のうち、当該公共施設等を運営して利用料金を収受する権利を民間事業者に設定するもの。空港や上下水道、高速道路などの分野での活用が見込まれており、民間事業者による安定的で自由度の高い運営により利用者のニーズを反映した質の高いサービスが提供されることが期待されている。民間事業者の参入を促すためにも、会計上の取扱いを示す必要があるとされているものである。
想定される会計処理の論点としては、(1)公共施設等運営権の取得及び運営期間中の費用認識(2)公共施設等運営権対価の算定(3)プロフィットシェアリング条項等が付された場合の取扱い(4)更新投資の取扱いが挙げられている。すでに先行する事業では平成28年3月末にも事業運営が開始される見込みであり、それまでには一定の結論が出ることになろう。