日本税理士会連合会は6月25日開催の第1回理事会で、平成28年度・税制改正に関する建議書を決定した。
連合会はこの中で、(1)消費税の単一税率を維持する(2)外形標準課税は中小法人に導入しない(3)給与所得控除・公的年金等控除を見直す―の3点を強く主張したいと訴えた。
建議書は(1)に関し、消費税率引き上げに伴ういわゆる逆進性への対応策として導入が検討されている軽減税率は極めて効率の悪い制度だと断言。逆進性への対応策は、社会保障・税一体改革の中で構築することが適切であり、社会保障給付の一層の効率化・重点化で対処すべきだと提言した。
(2)に関し、中小法人に導入すべきでない理由として▽財務基盤が弱く、欠損法人割合も高い▽外形標準課税の課税標準の一つである付加価値割の大半は給与。中小法人は労働分配率が高い。導入された場合には中小法人の雇用にも影響を及ぼす等―ことを挙げた。
(3)は、給与所得者が負担する必要経費の実態からみて、給与所得控除額は過大。現行の控除額を相当程度引き下げることが適当。また、現行の公的年金等控除は相当程度縮減することが適当。適切な課税ベースを維持するために、給与所得控除と公的年金等控除の重複適用についても早急に見直す必要がある―とした。
■参考:日本税理士会連合会|税制改正に関する建議書|
http://www.nichizeiren.or.jp/guidance/proposal/taxation.html