質量両面での人材不足が課題 15年版中小企業白書(2)

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2015年版中小企業白書の「第2部・中小企業・小規模事業者のさらなる飛躍」は(1)イノベーション(2)販路開拓(3)人材―で構成される。この中で浮き上がってくるのが、中小企業・小規模事業者における質・量両面での人材不足。

例えば、売り上げ目標を達成できなかった企業が抱える新規市場開拓時の課題を見ると、「人材」に関するものが最も多い。人材が不足している企業の半数以上で、外部人材の獲得が実現できていない。その理由として「コストに見合う効果が期待できない」を挙げる者が多い。

中小企業の「中核人材」の採用手段や供給源は極めて限られている。中小企業・小規模事業者における就業者の離職率(3年目)は、中途採用で約3割、新卒採用で約4割。特に、小規模事業者では新卒採用の過半数が3年以内に離職している。会社の将来を担う人材の育成の前提として、採用した社員の定着率を高める必要がある。

限られた経営資源の中で行う個社単位の取り組みには限界がある中、地域のNPO法人や自治体、商工団体、産業支援機関が連携し、地域の人材を地域で定着・育成するためのコンソーシアム(組織)を形成した広島県安芸高田市の「あきたかたコンソ」が事例として紹介されている。

■参考:中小企業庁|2015年版中小企業白書|

http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/index.html#jirei