原判決を破棄、1審も取り消す 所得税更正処分取消―最高裁

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所得税の確定申告に対して税務署長から更正および過少申告加算税の賦課決定を受けたことに対する判例。

更正の一部、15年分および16年分に係る賦課決定の一部および17年分に係る賦課決定の全部の取り消しを求めた上告審で最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)は、▽15年分の所得税について税務署長が行った19年2月22日付過少申告加算税の賦課決定▽16年分の所得税について税務署長が行った同日付過少申告加算税の賦課決定のうち、過少申告加算税の額47万0,500円を超える部分―について請求を棄却した原判決を破棄、第1審判決を取り消した。併せて、各処分をいずれも取り消した。全員一致の意見。

税務署長が行った処分は、匿名組合契約に基づき航空機リース事業に出資した匿名組合員が、当該契約に基づく損失の分配を、所得税法26条1項に定める不動産所得に係る損失に該当するとして行った確定申告に対するもの。税務署長は、不動産所得に係る損失に該当せず、同法69条に定める損益通算の対象にならないと判断した。

最高裁は、17年12月の所得税基本通達36・37共―21改正で所得区分に関する課税庁の公的見解が変更されたと指摘。損失の分配の一部については国税通則法65条4項の「正当な理由」ありとした。

■参考:最高裁判所|所得税更正処分取消等請求事件(平成27年6月12日・最高裁判所第二小法廷)

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85161