企業会計基準委員会が公表している「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針案」の大きな改正点の1つが分類4に係る分類の要件を満たす企業が分類2又は分類3に該当することになる場合の取扱いだ。
分類4に該当するのは、過去(3年)又は当期において、重要な税務上の欠損金等が生じている等の企業のこと。分類4に該当する企業については、翌期のスケジューリングの結果、繰延税金資産を見積もる場合、当該繰延税金資産は回収可能性があるとされている。
ただし、今回の適用指針案では、重要な税務上の欠損金等が生じた場合であっても、(1)将来において5年超にわたり課税所得が安定的に生じることが合理的に説明できるときは「分類2」に該当する(2)将来においておおむね3年から5年程度は課税所得が生じることが合理的に説明できるときは「分類3」に該当するものとして取り扱うことが可能となっている。
企業にとっては朗報ともいえる改正だが、このうち、分類4から分類2に変更できるケースはかなり限定されることになるようだ。具体的には、過去に分類2の要件を満たしていた企業であり、災害等により重要な税務上の欠損金等が生じてしまったケースなどに限られることになる。