特許庁は、中小企業が保有する知的財産の価値を「見える化」することで、金融機関からの融資につなげるための取り組みを正式に開始する。
同庁は26年度から、中小企業の知的財産を活用したビジネスを評価する「知財ビジネス評価書」を作成、金融機関に提供することで、金融機関が中小企業の知的財産の価値を理解し、中小企業への融資の拡大につなげる取り組みを試行してきた。同取り組みを「知財金融促進事業」と銘打ち、本格的に開始する。その一環として、中小企業の知的財産を活用したビジネスを評価する「知財ビジネス評価書」の作成支援について20日、公募を開始した。
知的財産を保有する中小企業は、自社の持つ知的財産の価値を正しく評価された上で金融機関から資金を調達したいと望んでいるが、金融機関には特許等の技術内容を評価できる人材が不足しており、融資判断の際に知的財産を評価して融資につなげることが難しいのが実情。同事業では、金融機関から申請を受けると、融資を検討している中小企業の知的財産を活用したビジネスについての評価書を、提携調査会社等が作成し、金融機関に無償で提供する。評価書によって特許や技術等のビジネスへの貢献度等の把握を図る。
■参考:特許庁|中小企業の知的財産を融資につなげる金融促進事業を実施します~「知財ビジネス評価書」の公募を開始します~|
http://www.meti.go.jp/press/2015/05/20150520003/20150520003.html