会計帳簿を故意に仮装隠匿 重加算税の賦課要件を充足

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ラーメン店を営む請求人が、故意に売上金額及び必要経費、課税売上高を隠匿したとして受けた所得税及び消費税の重加算税の賦課決定処分に対し、その取消しを求めた事案。審判所は、処分は適法として請求を棄却した。令和6年3月25日裁決。

請求人は、〇税務に関する相応の知識がなく、かさばるため伝票や領収書等は廃棄し、売上は丼の数により概算で把握していた 〇売上だけでは生活できず借金をしており、利益があったという認識はなかった 〇感染拡大防止対策協力金は「見舞金」と認識しており、所得税等の申告が必要であることを認識していなかった―以上により、国税通則法第68条第2項「隠蔽し、又は仮装し」には該当しないと主張。

しかしながら請求人は、開業から2か月程度の期間は、税理士の指導の下、会計伝票の集約や領収書等の保管を行っていた。その後はそれらを廃棄するようになり、協力金に係る支払決定通知書も捨てていた。会計伝票等の保管や集約が必要という認識はあり、売上金額及び必要経費の額が不明になることを認識しながら伝票等を廃棄しており、隠蔽、仮装と評価すべき行為のうえ無申告がなされた。通則法の規定する重加算税の賦課要件を充足するとして、請求には理由がないとの判断が下された。

■参考:国税不服審判所|故意に本件事業に係る売上金額及び必要経費を隠匿等したとして、国税通則法第68条第2項に該当するとした事例(令和6年3月25日・裁決)|

https://www.kfs.go.jp/service/MP/01/0605030100.html#a134