時間外労働の上限規制をはじめとする大企業の働き方改革の取組みが、下請等中小事業者に対する、適正なコスト負担を伴わない短納期発注や急な仕様変更などの「しわ寄せ」を生じさせている場合がある。
このような大企業側の都合による「しわ寄せ」が中小事業者へ及ばないよう、厚生労働省は中小企業庁、公正取引委員会と連携し、11月を「『しわ寄せ』防止キャンペーン月間」として、集中的な周知・啓発の取組みを行う。「労働時間等設定改善法」に基づき、事業主は他の事業主との取引において、長時間労働につながる短納期発注や発注内容の頻繁な変更を行わないよう配慮する必要がある。
また、「下請中小企業振興法」に基づく「振興基準」では、親事業者、下請事業者が共に「働き方改革」に取り組むこと、原材料費・エネルギーコストの適切な増加分の全額転嫁を目標とすること等が定められている。11月は「過労死等防止啓発月間」でもある。長期間の過重な労働は過労死等を引き起こすおそれがあり、取引の適正化は健康障害防止の観点からも重要だ。同省ではポスター等による周知、都道府県労働局による企業等への訪問などの取組みを通じて、しわ寄せ防止のための環境整備に努めるとしている。
■参考:厚生労働省|11月は「『しわ寄せ』防止キャンペーン月間」です|
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44774.html