日本公認会計士協会は7月16日、経営研究調査会研究資料第11号「上場会社等における会計不正の動向(2024年版)」を取りまとめた。
それによると、2020年3月期から2024年3月期においては、187社が会計不正発覚の事実を公表しており、5年間の粉飾決算割合は平均で80.2%となっている。手口としては売上の過大計上や架空仕入・原価操作等が多い結果となった。なお、2024年3月期においては、公表された粉飾決算のうち33.9%が収益関連(売上の過大計上、循環取引、工事進行基準)の会計不正であった。また、会計不正の発覚経路としては、「当局の調査等」が42件でトップ。以下、「内部統制等」が34件、「内部通報」が29件、「取引先からの照会」が28件となっている。
そのほか、東証における会計不正の市場別内訳(3年間)では、グロース市場16.8%、スタンダード市場40.2%、プライム市場43.0%となっており、2024年3月期に限ってみると、プライム市場に上場している会社において、会計不正の発覚が増加している。また、業種別では、サービス業が38社と最多であり、次いで卸売業が28社、情報・通信業が20社、建設業が16社と続いている。
■参考:日本公認会計士協会|経営研究調査会研究資料第11号「上場会社等における会計不正の動向(2024年版)」の公表について|
https://jicpa.or.jp/specialized_field/20240716icg.html