国際収支から日本経済を俯瞰し 課題と処方箋を探る―財務省

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財務省主催の懇談会「国際収支から見た日本経済の課題と処方箋」第3回が先般開催された。委員の主な意見は以下の通り。

〇対内直接投資にとって電源は重要であり、電源構成の問題に取り組まなければ国内立地の優位性を高めることは難しい。

〇海外特に発展途上国の金利は高いため、資本市場がスムーズに回るようになると、日本が低金利のままであればこれまで以上に資金が海外に流出してもおかしくない。

〇海外で稼いだ利益を還流させるため、日銀が金利を上げること、労働市場の流動化など生産性向上の取り組みが必要となる。

〇貯蓄と投資のバランスは、セミマクロまで落とし込んで考えることが必要。ブレークダウンしてデータを見ることで、家計間、地域間の偏在の実態が見えてくる。

〇雇用の流動化が進まない背景に、企業がある種の村社会になっており、それに社員が依存し抜け出せなくなっている文化が考えられ、政策的な配慮が必要ではないか。

〇インフレ率2%をめざして粘り強く緩和状況を続けていると新陳代謝が落ちるほか、政府の債務が安易に増えやすくなる。

〇賃金上昇の局面では、その賃金を賄えるような価格戦略が持てない企業は退出を余儀なくされるように、賃金上昇は新陳代謝の経路を通じ生産性上昇をもたらす。

■参考:財務省|第3回 「国際収支から見た日本経済の課題と処方箋」各論②所得収支議事要旨|

https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/councils/bop/outline/20240508.pdf