経済産業省は第5回電力先物の活性化に向けた検討会を開催し、電力先物が抱える課題や今後の方向性について取りまとめた。電力先物の取引は、電力小売の自由化に伴い電力の価格変動リスクを回避するため4年ほど前から取引が開始されている。日本の電力先物における取引参加者数及び取引電力量は徐々に増加しており、電力先物は電力事業者における価格変動リスクの回避や電力取引の価格指標として、有力なものになりつつあるとしている。
検討会は今後の電力先物の活性化に向けた方向性として(1)電力先物が果たすべき役割の認識統一(2)市場参加者の裾野拡大(3)新規参入の阻害要因に対する業界の取組(4)現物の商流を踏まえた先物の設計、財務規模の大きい金融機関の清算参加―という4点を挙げた。
(1)では、電力先物は中長期~短期のリスクヘッジに適すると整理された。(2)では電力先物のメリットについて理解が進んでいない企業が存在する可能性もあるため、取引所等の市場運営者に電力先物の普及活動を求めた。(3)はヘッジ会計の適用に向け公認会計士等を巻き込んで議論を行うよう求めた。(4)では、電力先物の更なる流動性拡大のポイントは財務規模の大きい金融機関の清算参加だと指摘している。
■参考:経済産業省|「電力先物の活性化に向けた検討会」の結果を取りまとめました|
https://www.meti.go.jp/press/2024/04/20240415002/20240415002.html