物価上昇受け高水準賃上げ回答 各組合等で過去最高を記録

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持続的な物価上昇を受け、生活水準維持のためにも賃金の引上げは必要という認識は労使ともに一致しているようで、各労働組合等からここまで高水準の賃上げ報告が続いている。

金属労協は3月29日現在の賃金引上げ回答状況を公表した。ベアや賃金改善などの賃上げ額の単純平均は9,593円で、平成26年以降で最高額となった。産別ごとの報告では自動車総連が賃金カーブ維持分と賃金改善分を合計した引上げ額が1万2,211円となり、こちらは昭和51年以降で最高となっている。

賃上げとなると必要なのは財源。その点においては、中小企業が大企業に見劣りするのは否めない。それでも、連合の発表によると組合員300人未満の中小組合1,600組合の賃金引上げの加重平均は4.69%(対前年比1.27%増)で、額では1万2,097円(同3,543円増)となり、比較可能な平成25年以降最高となった。

一方、全国中小企業団体中央会の発表によると、中小企業の様々な業種で人手不足・人材確保に伴う人件費上昇が収益力の足かせになっていることも明らかとなっている。賃上げをしなければ人材確保がままならない状況下、いかに賃上げを生産性向上につなげるかが経営課題となっている。

■参考:(独法)労働政策研究・研修協会|賃上げ額の単純平均は9,593円で、高水準の回答引き出しが継続/金属労協(JCM)の3月末時点での回答状況|

https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20240405.html