IFRS適用レポートが公表 任意適用の決定理由は経営管理

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金融庁はこのほど、IFRS適用レポートを公表した。IFRSの任意適用企業がIFRS移行時の課題をどのように乗り越えたのか、また、移行によるメリットにどのようなものがあったのか、実態調査等を行い、IFRSへの移行を検討している企業の参考とするためにまとめられたもの。調査対象はIFRS任意適用企業69社のうち、65社から回答を得たものである。

レポートによると、IFRSの任意適用を決定した理由としては、「経営管理への寄与」が29社と最も多く、「比較可能性の向上」の15社を上回った。会計基準の選択という財務会計上の対応のみならず、経営管理の高度化を図るためにIFRSを有効活用することが重要であると認識されている結果が浮き彫りになった格好だ。一方、「業績の適切な反映」と回答した企業は6社。のれんの非償却や有給休暇引当金の計上をメリットとして挙げている企業もあったが、少数にとどまっている。

また、移行コスト(主にシステム対応)については、1億円以上5億円未満が17社と最も多く、次いで5千万円未満が13社と続いている。規模が相対的に小さくかつ単一事業である場合には、金額的にもきわめて少額で対応できている例もあると報告されている。