日本商工会議所はこのほど、「事業承継に関する実態アンケート」の調査結果を取りまとめ発表した。事業承継の現状としては、現代表者の年齢が60歳以上の企業の50%以上が後継者を決定済み。後継者不在企業は約2割。8割超の中小企業が親族内で事業承継を実施。7割以上の企業が、事業承継を意識してから後継者の内諾を得るまで1年以上要したと回答した。
5割超の企業が、内諾を得てから事業承継(代表権・株式の承継)完了まで3年以上かかると回答。課題としては株式を移転する際の相続税・贈与税の納税資金の確保が障害となっている企業が約8割。代替わりの回数が多いほど株価が高額になっており、現経営者が4代目以降の企業のうち、株価1億円超は約7割。
事業承継税制については、株式の移転に際し、暦年贈与や事業承継税制が活用される一方、後継者の株式買取・納税資金確保のためキャッシュアウトが発生しているケースも散見される。株価1億円超で後継者決定済みの企業のうち、約4割が事業承継税制を活用する一方、約半数が「検討していない・知らない」と回答。M&A等については、株式売上高・株価評価額が高い地域の中核的な企業ほど、M&Aを積極的に実施。同業種のM&Aが5割超と、本業の事業拡大が中心になっている。
■参考:日本商工会議所|「事業承継に関する実態アンケート 調査結果」|
https://www.jcci.or.jp/news/2024/0322120000.html