帝国データバンクの調査によると、令和6年1月時点での正社員の人手不足企業の割合は52.6%となった。1月としては、これまでもっとも高かった令和元年の53.0%に次ぐ高水準となっている。業種別に見ると、IT系企業を含む情報サービス業が77.0%で最多となった。生産性向上の観点からか、システム関連需要が高いことが影響しているようだ。以下、建設業69.2%、旅館・ホテル業68.6%が続いている。また、2024年問題の対象となる医療、建設、物流の各業種でも高い人手不足感が現れている。
賃上げについては、人手不足を感じている企業の65.9%で実施見込みと回答。正社員の人手が適正、過剰と回答した企業を大きく上回る結果となった。賃上げによる求人条件の引上げで人材確保を狙う企業も少なくない。一方で、中小企業においては仕入れ等の値上げに対応する価格転嫁が進まないことなどもあり、この点での競争力に乏しいことも事実だろう。
日本政策金融公庫の昨年12月時点の調査でも正社員の人手不足企業は58.8%となっている。少子化による人口減少は、一向に改善の兆しが見えない。労働力人口も減少しているため、人材確保対策は待ったなしの経営課題となっている。
■参考:帝国データバンク|人手不足に対する企業の動向調査(2024年1月)|
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p240209.html