ある会社の経理部門の人に聞いた話である。経理と各部門間では定期的にメールのやり取りがある。たとえば、売上実績見込報告というものだ。
経理から各部門に依頼文と報告書式を送付して、各部門は期限までに提出することになっている。経理担当者がメールの送受信の際に必ず行うルールがある。メールの送信時に担当者は、一緒に担当するグループメンバーに同報して送る。簡単だがなかなか徹底できない作業だ。
大事なのは経理担当者に送られてきたメールに対して、必ずメールを受信したことの言葉を添えて返信を行うことである。メールのやり取りが繰り返しあっても、その都度必ず返信を行うことを徹底する。多くの部門から送られてくるメールに返信するのは面倒なことである。しかし、これを徹底することで、グループの連携が密になり、誰でも代わって対応できるメリットがある。また、受信記録にもなり、メールの確認が容易になることは、全体のメールを管理する上で極めて効率的だ。経理が丁寧な対応をしていることに信頼感を持てるし、逆にそのメールを確認すれば、返信の遅れや忘れに気付くことができる。
一見面倒で無駄とも思える受信確認が大きな目で見ると、メールによるコミュニケーションの確実性を保証している。