高学歴化やインターネットの普及等により一般知識が向上した為か、何か一芸に通じた人でなければ、他に抜きん出ることが難しくなっている。全ての分野で平均点を取る人よりも、何かの分野で一つでも高得点を取る人の方が高い評価を得るようだ。
X社(不動産管理業及びホテル業)には、特技登録制がある。社員が特技(判断は本人任せ)と思う事柄を自由に登録させて、会社の仕事に活用しようとするものである。例えば、こんな特技が登録されている。
(1)全国のお寺や仏像に詳しい(2)電卓競技にいつも入賞する(3)東南アジアの会話(タイ・ベトナム等)が出来る(4)電車・鉄道路線に詳しい(5)世界中の時計・洋服等のブランドに詳しい(6)易占いが出来る(7)高度な護身術を修得している(8)人工呼吸術に熟練している(9)日本酒やワインの銘柄に詳しい(10)折り紙が100種類以上出来る、など。
中には本当に役立つのか疑問の特技もある。しかし、会社の担当者によると、日常業務で困ったような時、このリストに助けられることがよくあるそうだ。注意を要するのは、本業と全く関係ない一芸に秀でた為に、芸の方ばかりに打ち込み本業を怠けてしまうことである。一芸が、道楽に終わってしまっては勿体ない。