Weeklyコラム 真似る事が独創の基

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物事を真似(まね)ることは、人類誕生以来の人間の本性である。例えば、乳幼児が歩いたり話したり、人が挨拶したり料理をしたりすることは、全て真似る事によって発達する。極言すれば、人の習慣や思想等はほとんど真似る事によって習得出来る。

学校や会社等において難がある人の共通点は、始めに先輩や教師が指示する事を素直に真似る事を怠るからではなかろうか。例えば、「人の指導や命令をしっかり聞かない」「基礎的な挨拶や習慣を学ばない」「指示があっても、まず反論する」等である。芸術や武術の世界には、「守・破・離」(しゅ・は・り、守=型を真似る、破=型を破って工夫を加える、離=独自の型を形成する)がある。このような世界においては、師が教える型を徹底的に真似て初めて修業時代が終わる。「破・離」は、型を真似て「守」を完全に習得した後に始まる。

会社においても、型を教える社員の教育訓練は必要不可欠である。しかし、年功序列の崩壊等の影響もあって、部下が上司の知識・技術や言動等を真似る努力が薄れているようだ。会社側としても、社員の経験年数や知識レベル等に応じた教育訓練を繰返す努力が必要だ。結局、独創的な技術やアイデア等は、定型的な事柄を真似て習得することで生まれて来るものである。