増加するビジネスケアラー 経済損失見込額は約9兆円予測

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仕事をしながら家族等の介護に従事するビジネスケアラー。本格的な高齢化社会を迎えた我が国では、その数は増加傾向にある。生産年齢人口の減少が続く中で、働き盛りの従業員を介護等により失うことは、企業にとって大きな損失となる。経済産業省等の資料に基づいた推計では、ビジネスケアラー発生による経済損失額は2030年時点で約9兆円に迫るとされている。

現状、多くの企業では仕事と介護等の両立体制構築への初動支援は手薄く、公的な介護保険サービスだけでは対応が足りないため、従業員個人の努力にその多くを委ねているのが現状だ。

家族の介護は、本人の選択や自助努力によって回避できるものではない。誰にでも起こり得る可能性があり、事前の準備や各種保険サービスの適切な利用、周囲の配慮によって、本人の身体的・精神的・金銭的な負担を軽減することが可能となる。介護を担う前とほぼ変わらない働き方を継続できれば、本人にとっても企業や社会全体にとっても損失が回避できる。

企業においては、ビジネスケアラーが発生する以前から、社内体制としてどのようなサポートができるか、継続的な両立支援のあり方などについて、事前に十分な検討をしておくことが重要となるだろう。

■参考:経済産業省|介護政策|

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kaigo_page.html