国税庁はこのほど、「居住用の区分所有財産の評価について」の法令解釈通達(案)に対するパブリックコメントを募集し、その結果について公表した。102件の意見提出があり、原案に若干の修正が加えられている(評価乖離率が零又は負数になった場合敷地利用権及び区分所有権は評価しない)。主な意見および国税庁の考え方等は以下の通り。
○「特定の富裕層やタワーマンションのみを対象にすべきではないか」→本通達は適正な時価評価の観点から、相続税評価額と市場価格との乖離は一部のものに限らず、広く居住用の区分所有財産を対象としている。○「居住用に限定したのはなぜか」→見直しの対象となる不動産はその流通性・市場性や価格形成要因の点で分譲マンションに類似するものに限定される。○路線価又は固定資産税評価額を見直すべきではないか→居住用の区分所有財産の時価を求めようとするものであるため、現行の相続税評価額を維持しつつ、補正率を乗じて評価する方法を採用している。○取引価格のデータは速報値を基にスライドさせる必要がないか→コロナ禍等より前の平成30年分の売買実例価額に基づいている。今後の見直しは固定資産税評価の見直しに合わせるのが合理的と考える、等。
■参考:国税庁|「居住用の区分所有財産の評価について」の法令解釈通達(案)に対する意見募集の結果について|
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000260432