不動産の賃貸や管理等を営む2社の代表取締役を務める請求人が、複数の土地に設置された、あるいは設置予定の太陽光発電設備をH社から購入する各契約書を取り交わし、一連の設備の設置と発電にかかる所得を、自宅屋根に設置した太陽光発電設備による売電による収入とともに事業所得として申告。原処分庁が行った各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分に対し、請求人が審査請求を行った事案で、審判所は、当該取組は事業に該当しないと判断した。令和4年12月14日付裁決。
審判所は調査及び審理の結果、以下の事実を認定した。▽設備のある土地には、請求人が所有権を有する旨の登記はなく、設備は運転開始前の状態であるうえ、別の者が発電事業者に登録されていた、もしくは所在地とされた地番は存在しない(原処分庁は、H社が金員の詐取を企図して各契約を締結したと推認)▽従って請求人は、各設備から何ら収入を得ていない ▽自宅屋根の設備による売電収入は減価償却費にも満たず利益が生じていない。一方で請求人は2つの会社から安定した給与収入を得ていた― よって各更正処分は適法とし、過少申告加算税は、自宅屋根での売電収入があった年については加重措置の適用はないとして、処分の一部を取り消した。
■参考:国税不服審判所|太陽光発電に係る取組が事業所得を生ずべき事業には該当しないとされた事例(令和4年12月14日)|
https://www.kfs.go.jp/service/MP/02/0203120000.html#a129