Weeklyコラム 経費節減策の罠(ワナ)

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中小企業が経費節減策によって収支が大幅に改善した例は、意外に少ないようだ。

節減策と言うと、「退職社員の補充をしない」「こまめに電灯を消す」「紙の裏表にコピーする」「明確な目的がない交際接待を止める」「中古設備を導入して、減価償却負担を減らす」等が、よく挙げられる。もちろん、経営改善の為には経営計画を策定して無駄な経費を節減する努力は必要だ。しかし、経営姿勢を変えずに経費削減策だけが先行すると、現状の売上高(又は粗利益)も維持出来ないことがある。結果、急速な節減に限界のある固定費が賄えなくなって、収支状況や資金繰りが悪化することがある。

また、例えば企業再生計画等においては、「仕入原価率を下げ、売上高や設備は現状維持にする。結果、支払利息や経費を節減して黒字経営を目指す」等というものが多い。しかし、計画通りに実行出来ず、人件費・光熱費・宣伝費・交際費等の節減中心に力を注いだ結果、その節減の効果以上に収益が低下してしまうことがある。経営意欲が委縮してしまうのかもしれない。

経営改善の基本は、健全な付加価値額(=人件費+営業利益+減価償却費)の確保にあることを認識し、経営活動に必要な設備や諸経費をバランスよく使用して黒字経営が成り立つような施策が求められる。