審査請求人が、相続財産の土地は土壌汚染地だとして、土地の評価について浄化・改善費用に相当する金額を控除して相続税の申告をしたところ、原処分庁が、土壌汚染対策法に規定する汚染の除去等の措置を講ずることが必要な区域に指定等がされていない、浄化・改善費用負担が確実に発生するとはいえないとして更正処分等を行った。
請求人がそれら全部の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は、審査請求には理由があるとして原処分の全部を取り消した。請求人は被相続人の長男。共同相続人の長女と相続したのは4土地。各土地に係る土地区画整理事業が施行された際に、土壌汚染が懸念される土砂によって埋め立てられたと想定され、調査の結果、各土地すべてから土壌汚染対策法所定の基準を超える特定有害物質が検出された。原処分庁は浄化・改善費用相当額の控除の必要はない旨主張。
審判所は、各土地は相続開始日において、土壌汚染対策法所定の基準を超える特定有害物質を地中に含有していたことが認められ、土壌汚染土地と認めるのが相当、浄化・改善費用相当額を控除すべきと判断。各土地の評価にあたり、土壌汚染なしとした場合の評価額から浄化・改善費用相当額として各見積額の80%相当額を控除して評価するのが相当だとした。
■参考:国税不服審判所|土地当該評価対象地の評価に当たり、浄化・改善費用相当額を控除すべきとした事例|
https://www.kfs.go.jp/service/MP/04/0702040000.html#a125_4