2年連続で2万8千件超え 知的財産侵害物品差し止め

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財務省誌「ファイナンス」7月号は「改正商標法及び意匠法に対応し関税法を改正―税関における知的財産侵害物品の差止状況と取締りの強化」を特集。令和3年の知的財産侵害物品の差し止めが2万8,270件で前年比6.7%減となったものの、2年連続で2万8,000件を超える高水準の状況が続いている。

仕出国(地域)別で見ると、中国来の輸入差止件数が依然最多で、全体の77.4%を占めた。中国の占める割合は過去10年で最低。代わってベトナム、フィリピンの増加が目立つ。ベトナムを仕出国とする差止件数は前年比220.7%の3,033件と全体の10.7%、フィリピンを仕出国とする差止件数は同175.1%の1,112件で3.9%を占めた。差止実績は昭和62年から公表しているが、令和3年の差止件数は過去5番目に多い。

近年、「侵害物品に該当しない」と争う旨の申出が増加している。そのほとんどが「個人使用が目的」の主張。主張が認められ、輸入が許可されるケースが増えている。こうしたなか、5月に特許法等の一部を改正する法律が成立・公布された。商標法及び意匠法が改正され、海外の事業者が模倣品を郵送等によって日本国内に持ち込む行為は、商標権及び意匠権の侵害行為となることが明確化された。

■参考:財務省|税関における知的財産侵害物品の差止状況と取締りの強化(広報誌「ファイナンス6月号」より)

https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202206/202206c.pdf