ASBJ、税効果会計見直しへ 当期税金費用は発生源泉で区分

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企業会計基準委員会(ASBJ)が検討している税効果会計の課題の1つが「税金費用の計上区分」だ。

会計上、その他の包括利益として計上されているものについて、連結納税加入時にその他有価証券が税務上時価評価された場合などにおいて、課税所得計算上、益金又は損金に算入されることにより、所得等に対する法人税、住民税及び事業税等が課される場合があるが、現行では当期税金費用は損益に計上することになる。しかし、当期税金費用について、その他の包括利益に対して課税されている部分は、その他の包括利益から控除して表示することが適切ではないかとの問題意識が指摘されていた。この点、同委員会では、当期税金費用は、その発生源泉となる取引等に応じて、損益(税引前当期純利益から控除)、その他の包括利益及び株主資本の各区分に計上する方向で検討されている。

一方、退職給付に係る当期税金費用の計上区分については、現行の掛金等の支出に係る当期税金費用を損益として計上する会計処理の継続を認める見解を示している。掛金等の支出に伴って取り崩される退職給付に係る負債にも、未認識数理計算上の差異等に相当する部分が含まれている可能性があるが、当該差異等に相当する部分を識別することは実務上難しいとしている。

■参考:企業会計基準委員会|税金費用の計上区分の検討|

https://www.asb.or.jp/jp/project/proceedings/y2022/2022-0126.html