自筆遺言の法務局保管制度創設 家裁検認手続き不要も―法務省

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法務省は自筆の遺言書を法務局が預かる制度の創設に向け具体的検討に入っている。相続法制審議会は中間試案の中で、「自筆証書遺言の保管制度の創設」に関して検討しており、遺言者本人の申し出や、公的機関の受け入れ、「検認」省略、相続人全員への通知等があがっていた。

公正証書遺言に比べ、自筆証書遺言は費用が掛からず自分だけで作成できる。ただし自宅で保管することで改ざんされる恐れも多かった。報道によると、全国約400カ所の法務局が原本と画像データを保管し、相続発生後に相続人が閲覧可能とする。弁護士や信託銀行等の遺言執行者も同様に閲覧できる。自筆遺言は死亡後に家庭裁判所の「検認」手続きが必要になるが省略できるようにする方針。

相続人の一人が閲覧や写しの交付を請求した場合は、他の相続人にも保管の事実を一律に通知する。将来は遺族の死亡通知後に自動的に通知するシステムも検討するようだ。また、記載不備をできるだけ防ぐために法務局が保管時に記載内容の確認、審査を行うことも検討する。手続きや保管コスト等の費用も極力低額に抑える方針。

法制審議会で詳細を詰めている段階で、早ければ2018年中にも民法改正に持ち込むという。

■参考:法務省|民法(相続関係)等の改正に関する中間試案|

http://www.moj.go.jp/content/001201997.pdf