自民・公明両党はこのほど、29年度税制改正大綱を決定した。今回から7週に亘り概要を掲載する、その1回目は所得税。就業調整を意識しなくて済む就労を後押しするため、配偶者控除・配偶者特別控除の見直しを行う。担税力の調整の必要性の観点から、所得控除額を所得に応じて逓減・消失させていく仕組みとする。
【配偶者控除】控除対象配偶者を有する居住者について適用する配偶者控除の額を、以下の通り合計所得金額に応じて定める。1)900万円以下―~38万円 2)900万円超950万円以下―~26万円 3)950万円超1,000万円以下―~13万円 4)1,000万円超―適用なし
【配偶者特別控除】 対象となる配偶者の合計所得金額を38万円超123万円以下とする。それをさらに9段階に分け、上記の1)、2)、3)それぞれについて、その範囲に応じた控除額を定める。(最大38万円、最小1万円)上記の改正は30年分以後の所得税について適用するとし、今後数年をかけ、基礎控除をはじめとする人的控除等の見直し等の諸課題に取り組む方針。なお、地方税についても所得割の納税義務者について上記に準じた改正を行うが、それに伴う個人住民税の減収額は全額国費で補填する。
■参考:自由民主党|平成29年度税制改正大綱|
https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/133810_1.pdf