厚生労働省の組織の変動に伴う労働関係に関する対応方策検討会が、1月から行ってきた会議の結果を踏まえ報告書を取りまとめた。同省は同報告書を元に今後、会社分割に伴う労働関係の承継等に関する法律(12年法律第103号)に基づく省令や告示の改正、事業譲渡および合併に係る指針(告示)の策定等を実施していく方針だ。
検討会は、会社分割や事業譲渡といった組織の変動について会社法等の法整備および組織の変動に係る裁判例の蓄積等を踏まえ、「組織の変動に伴う労働関係に関する研究会」の報告書(27年11月)も参考に対応方策の議論・検討を行ってきた。
報告書は会社分割について、▽転籍合意により労働契約を移転する場合であっても、承継法上の手続きは省略できないことを周知する▽労働者への通知事項に会社分割による労働条件の承継に関することを含める―などを提起。また事業譲渡について、労働者の選定について労働組合員に対する不利益取り扱い等を行ってはならないことや、裁判例における労働契約の承継の有無や労働条件の変更に関する個別の事案に即した救済の状況などに留意するよう促すとともに、合併により消滅する会社等の労働者の労働契約は存続会社等に包括承継されることの周知などを提示した。
■参考:厚生労働省|組織の変動に伴う労働関係に関する対応方策検討会 報告書取りまとめについて|
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000121226.html