サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、後発事象に関する取扱いの明確化を図るため、当初、サステナビリティ開示実務対応基準を開発する方針を示していたが、一転して実務対応基準を開発しないこととした。公開草案自体も修正しない。
事務局の当初案には賛成意見があったものの、当初案の「財務諸表に関連する後発事象に関する情報」と「財務諸表に関連しない後発事象に関する情報」の区分は曖昧である可能性があるとの意見や、関連する財務諸表との間のつながりを理解できるようにする開示の方法は内容によってさまざまであるとの意見が聞かれている。
これらの意見を踏まえ、SSBJでは、前述の事務局の当初案を変更し、企業が作成した財務諸表を所与とし、財務諸表との間のつながりが理解できるように情報を開示しなければならないことを確認することにとどめ、公開草案の記載を修正したり、新たにサステナビリティ開示実務対応基準を開発したりすることはしないこととしている。ただし、実務上、つながりのある情報の考え方をどのように適用するのかについて、一定の指針を示すことは有用であることから、サステナビリティ開示基準等の公表後に解説記事として情報提供するとしている。
■参考:第42回サスティナビリティ基準委員会|第41回サステナビリティ基準委員会で聞かれた意見 |
https://www.ssb-j.jp/jp/wp-content/uploads/sites/6/20241030_04.pdf