役員退職給与の高額支給部分 無償譲渡等の処分に該当

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請求人は、原処分庁がした第二次納税義務の納付告知処分について、過去に本件滞納会社から役員退職慰労金として支給を受けた本件不動産は、帳簿上本件滞納会社の使途不明金を請求人に対する役員貸付金に振り替えた残高を消し込むためであり、役員退職慰労金も相当と認められる金額の範囲内として、国税徴収法第39条の無償譲渡等の処分には該当しない旨主張した。

国税不服審判所は、役員貸付金及びこれと相殺された本件売買契約に基づく売買代金には、いずれも実体があったというべきであり仮装売買とはいえない。また、無償譲渡等の処分については、平均功績倍率法によって求めた相当とされる役員退職給与の金額に比して実際に支給された金額が、相当と認められる金額の7倍を超え、加えて本件滞納会社の経営を担っていたとはいえない。

本件支給の決議当時の状況等に鑑みれば、本件支給の目的が、滞納会社が滞納国税の徴収などを回避するためであり、本件支給の額は、本件不動産及び本件保険契約を請求人に得させるために設定されたもので、請求人の職務及び功労と役員退職慰労金の金額との対価的均衡を考慮した上で決定されたものではなかったと認められるゆえ、本件支給は、同条に規定する無償譲渡等の処分に該当すると裁決した。

■参考:国税不服審判所|役員退職給与の不相当に高額な部分が無償譲渡等の処分に該当するとした事例(令和5年12月14日裁決)|

https://www.kfs.go.jp/service/MP/11/0303030000.html#a133