小売店や飲食店等の客層とは、一般には各店を利用しているお客様の特性、つまり年齢層・性別・職業・所得・住居形態・生活スタイル等の特徴を分析することによる。
ところが、客層と品揃えや価格帯のバランスに関して店格レベルの向上策を話題にすると、店主や店員から或る決まり文句が出ることがある。「自店のお客様はマナーが悪くて困る。とても改善は無理」、と。具体的に悪いマナーとは、「店内にゴミを捨てる」「商品を乱暴に扱う」「お客様同士が騒ぎながら回遊している」等を挙げる。
このような例の原因を単刀直入に言えば、店主や店員の日頃の態度や行動にあると考えられる。すなわち、店舗の清掃や整理整頓が行き届いていないからお客様がゴミを捨てる、店員が商品を丁寧に扱わないからお客様も商品を大切にしない、店舗の雰囲気が雑然として店員の身なりや言葉遣いが乱れているとお客様も大声で話したりする、と言える。このように、店舗管理や接客態度等によって、お客様の行動も変わる。
お客様のマナーレベル(店格決定の要素)を上げたければ、店舗管理や接客態度を改めなければならない。清潔感あふれる快適な店内で、笑顔・ほめ言葉等を豊富に使ってお客様が喜ぶ接客をすれば、お客様の心と店側の心がつながって自然に向上する。