賃金不払い事案が増加傾向 賃金不払残業是正結果-厚労省

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厚生労働省は賃金不払が疑われる企業への監督指導を行った結果、令和5年(1月から12月)において不払いとなっていた割増賃金が支払われた事案を取りまとめて公表した。指導監督件数は21,349件(対前年比818件増)、対象労働者数は181,903人(同2,260人増)、金額は101億9,353万円(同19億2,963万円減)となった。

このうち、一事案における不払いの最大支払金額は2億3千万円となっている。支払金額の総額こそ減少したものの、案件自体は増加傾向にある。指導監督した21,349件のうち、支払いが行われた件数は20,845件、支払われなかった件数は504件となった。504件には同年中に支払いが行われなかった事案のほか、倒産、事業主の行方不明なども含まれている。

調査事案では月60時間を越える時間外労働に対して法定割増率を下回る率で計算していた、割増賃金の基礎として算入すべき手当を除外して計算していた、固定残業代を超えた分の残業代を支払っていなかった、日ごとの労働時間において15分未満を切り捨てていたケースなどが含まれている。各企業では、労働時間の管理方法や給与計算の単価設定方法など、あらためて確認する必要があるだろう。

■参考:厚生労働省|賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(令和5年)を公表します|

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41907.html