令和4年の労働災害による死亡者数は対前年比73人減少(対前年比8.8%減少)の758人となり、4年連続で過去最少を記録した(令和5年3月速報値)。「第13次労働災害防止計画」で基準年とされている平成29年との比較では167人減少(同18.1%減少)となった。
一方、休業4日以上の死傷者数は対前年比128,877人増(87.8%増)の275,733人となり昨年に引き続き過去最多となった。平成29年との比較では133.5%の増加だ。死亡者数の減少に対して、死傷者数が増加している原因の多くが主に感染症による労働災害となっており、コロナ禍における特殊事情が影響したものと考えられている。
厚生労働省は、労働災害を減少させるために国や事業者、労働者等が重点的に取り組む事項を定めた中期計画である「第14次労働災害防止計画」を策定、先般公示した。令和5年4月から10年3月までの5年間ではさらに転倒防止対策や高年齢労働者に配慮した職場環境の整備等、中小事業者や第三次産業を中心に自発的な取組を促す環境整備が必要としている。今後、さらに労働人口の高齢化が進むことが予想されている中、企業としてはいかに高齢者の事故を防ぐか配慮する必要があるだろう。
■参考:厚生労働省|令和4年における労働災害発生状況について(令和5年3月速報値)|
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/dl/22-15.pdf