Weeklyコラム 事業承継対策の一断面


中小企業の重要課題に、後継者への事業承継がある。大企業の経営者交替と異なり、同族企業であれば、一般に事業承継には相続問題が関係していることである。

例えば、経営者が自分の子供の中から1人だけ後継者に選ぶことは可能であるが、株式等事業用資産を全部相続させることは必ずしも可能ではない。配偶者や後継者の兄弟姉妹等の権利があるからである。事業用資産以外の財産がない場合は、遺言によって後継者が半分以上を相続(遺留分制度により限界がある)、又は生前贈与するような方策をすべきであろう。

さらに、急に事業承継と相続が発生したような場合、後継者が財産以上の借金等を負ってしまうことがある。通常ならば相続放棄する場合にも、後継者として事業継続を優先せざるを得ないこともある。他の相続人は放棄する可能性が高いが、後継者は事業承継によって大借金を負うかもしれない。この対策は各企業や各家族の状況で区々であるが、一法として経営者は早くから後継者を死亡保険の受取人とする生命保険に入ったり、株式等事業用資産の生前贈与を行ったりして、最悪相続により過大な負の資産を抱えないようにしたい。事業承継計画と実行を早めに行い、相続対策にも充分な時間を掛けたいものである。