日本貿易振興機構(ジェトロ)が海外ビジネスに関心の高い日本企業を対象に実施したアンケート調査によると、今後3年程度の間に事業の拡大を図る方針という回答が、中小企業では海外事業で前年の50.2%から54.3%に、国内事業で同48.0%から54.8%にいずれも増加した。これに対し、大企業は海外事業で低下、国内事業では横ばいで、中小企業の国内外事業の拡大意欲が目立つ結果となった。中小企業では特に、海外事業の拡大を図るという回答が、初めて過半数を超えた。
海外進出の拡大方針を持つ企業のうち、進出先としてアジア地域、中でも東南アジア諸国連合(ASEAN)6カ国を選択した企業が73.5%に上り、中国の56.5%を上回り、2012年以降、3年連続でASEANが中国を上回った。ASEANの国別ではタイ、インドネシア、ベトナムの3カ国で特に拡大意欲が強かった。
調査では▽グローバルに事業展開する企業ほど円安の恩恵が大きい▽輸出が伸び悩む主因は海外需要の伸び悩み、ライバル企業との競争、海外への生産拠点移転にある▽拠点・機能再編では中国からベトナムなどへの機能移管が目立つ▽中国、タイで人件費、労働力不足が課題と認識する企業が多数である―など浮き彫りになった。
■参考:ジェトロ|「2014年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」結果概要|
http://www.jetro.go.jp/news/releases/20150311949-news