「お客様が有っての商売」という言葉がある。小売店や飲食店等は、一般に商圏の住民が来店して初めて商売になる。お客様だけではない。商売に役立つものは、道路・鉄道・自動車等の交通手段、病院・公共施設・住宅等の建築物、住みやすい自然環境やインフラ等……、挙げたら無数にある。 続きを読む
日別アーカイブ: 2017年7月28日
原判決には所論の違法ない 上告を棄却―特許権侵害事件
「シートカッター」という名の器具を発明した特許権者(上告人)と、似た工具の販売業者(被上告人)の間で争われていた特許権侵害差し止め等請求事件で最高裁第二小法廷は、本件無効の抗弁を容れ、第1審判決中、被上告人敗訴部分を取り消し、上告人の請求をいずれも棄却する旨の判決を言い渡した原審の判断を認容、上告を棄却した。
原判決言い渡し後、上告人が行った特許に係る特許請求範囲の訂正(内容は減縮)審決確定、被上告人が行った別件審決(特許無効審判の請求は成立せずの審決)の取り消し請求棄却判決確定があった。上告人は、原判決の基礎となった行政処分が後の行政処分により変更されたことで民訴法338条1項8号に規定する再審事由があり、原判決には法令の違反があると主張。
最高裁は、特許権者が事実審の口頭弁論終結時までに訂正の再抗弁を主張しなかったにもかかわらず、その後に訂正審決等が確定したことを理由に事実審の判断を争うことは、訂正の再抗弁を主張しなかったことについてやむを得ないといえるだけの特段の事情がない限り、特許権の侵害に係る紛争の解決を不当に遅延させるものとして、特許法104条の3および4の各規定の趣旨に照らして許されないと説示。原判決には所論の違法はないと断言した。
■参考:最高裁判所|特許権侵害差止等請求事件(平成29年7月10日・最高裁判所第二小法廷)