R5年度税制改正国際課税 法人税引き下げに歯止め

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2021年の国際協議でグローバル・ミニマム課税の創設が合意されたことを受け、今回の改正では所得合算ルールを導入し「各対象年度の国際最低課税額に対する法人税(仮)」として法制化。実効税率が15%を下回る国に進出するインセンティブが失われ、80年代以降の法人税の引き下げ競争に歯止めがかかると期待される。

グローバル・ミニマム課税は、直前4対象会計年度のうち連結総収入額が7.5億ユーロ以上である年度が2以上の多国籍企業グループに適用される。このうち所得合算ルールは、計課税国に所在する子会社の実効税率が15%になるまでの差額を親会社の税額に追加する税制。国際最低課税額は、以下の通り計算する。1)多国籍企業グループに属する構成会社等の所在地国ごとに実効税率を計算 2)実行税率<15%の国について税額を計算 3)国ごとの税額を、各構成会社等の所得額に応じて配分 4)各構成会社等の税額を、持分割合に応じて最終親会社に課税各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税の額(A)は、同年度の国際最低課税額×0.907として計算する。残りの0.003は地方法人税として課され、特定基準法人税額に対する地方法人税の額(仮)は、A×93/907と定めている。

■参考:財務省|所得税法等の一部を改正する法律が成立しました(令和5年3月28日)|

https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/211diet/index.htm#a03