非営利性の徹底や地域医療の安定性の確保等により「持分あり医療法人」から「持分なし医療法人」への移行が図られておりますが、いまだ持分あり医療法人が全法人の約65.6%を占めています。
移行促進策のひとつとして、認定医療法人制度が期限付きで平成26年に創設されましたが、認定要件が見直されつつ再々延長され、今回の税制改正大綱にてもさらに延長されました。非営利を基盤とする日本の医療制度の中で、持分あり法人は出資分の払い戻し請求や残余財産の分配請求権等を有し、講学上配当として位置付けられ、また世代交代時には、相続税の過大な負担により存続の危機に直面するリスクを抱えています。国側も持分なし移行をできるだけ早期に進めたい意向です。
ある調査では営利企業が医療法人の出資持分を保有し実効支配を進めているケースが増えていると言います。また投資ファンド経由による支配も持分あり・なし両方にまたがって支配する例もあるようです。
JPBM医療経営部では、『認定医療法人制度等への非課税移行の実務(仮)』をテーマに、新たな書籍化の企画を進めています。ハイライトとして18ケースの事例パターンの課税関係を詳細に検証し、実務に直結するノウハウが盛り込まれる予定です。ご期待ください。
■参考:厚生労働省|持分の定めのない医療法人への移行計画の認定申請について(認定医療法人制度)|
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000205627.html