R5年度税制改正所得税(4) 高所得者への所得税増税等

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スタートアップの成長を促す「創業」期の支援については既報の通りだが、「事業展開」を後押しする観点も極めて重要である。一定のスタートアップで、ストックオプション税制の権利行使期間の上限を10年から15年へと延長することとなった。要件は、〇設立の日以後5年未満の株式会社 〇金融商品取引所に上場されている株式等の発行者である会社以外の会社

また、今回の個人所得課税の改正では、極めて高い水準の所得に対する負担の適正化が図られる。高所得者層ほど所得に占める株式等や土地建物の譲渡所得の割合が高い。それらの売却益に課される税率は一律15%である一方、給与等は累進性の課税であるため、高所得者層で所得税の負担率が低下する現象が生じていた。

この是正策として、(基準所得金額-3.3億円)×22.5%が基準所得税額を超える場合に、超える金額に相当する所得税を課すこととなった。基準所得金額とは、その年分の所得税について申告不要制度を適用せずに計算した合計所得金額(利子所得や一定の割引債の償還差益等、源泉分離課税の対象となる所得金額や、NISAで非課税となる金額は含まない)。基準所得税額とは、その年分の基準所得金額に係る所得税の額。令和7年分以降の所得税より適用される。

■参考:財務省|令和5年度税制改正の大綱(令和4年12月23日・閣議決定)

https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2023/20221223taikou.pdf